アイドリングストップ条例の話
「自動車の運転者は、自動車の駐車(自動車が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止(人の乗降のための停止を除く。)をすること又は自動車が停止し、かつ、当該自動車の運転者がその自動車を離れて直ちに運転することができない状態にあることをいう。以下同じ。)をする場合には、当該自動車の原動機を停止しなければならない。ただし、救急用自動車を緊急用務のため使用中の場合その他の規則で定める場合は、この限りでない。」
いわゆるアイドリングストップ条例ですが、文言に違いはあっても同趣旨の規定は割りと発見することができます。そして、この条例による規制の遵守を図るために、「知事は、自動車の運転者又は自動車を事業の用に供する者が、正当な理由がなく前条の規定に違反していると認めるときは、その者に対し、必要な措置を講じるよう勧告することができる。」というような規定(命令とするものもありますが)が置かれることが多いようです。
地球温暖化防止や大気汚染防止のためにアイドリングストップの施策を自治体が講ずることは、とても重要なことだと思っています。でも、このような条例、どうしても不思議なものに見えてしまうのです。
ふつう、自動車のアイドリングは、駅前であったり、駐車場であったり、お店の前であったり様々な場所で様々な人がしてますし、その場限りのケースが多いのではないでしょうか。ですから、アイドリングストップ条例違反を取り締まるためには、様々な場所に職員を配置してこれに当たらなければなりません。そんなとき、知事(市町村長)が違反是正を勧告することって普通に考えると不思議です。どうやってやるのでしょうか( . .)
まあ、地方自治法(昭和22年法律第67号)第153条第1項によって職員に権限を委任してしまうというのもあるかと思いますが(平成18年改正で嘱託員にも普通地方公共団体の長の権限を委任できるようになりましたし)、本来的には知事(市町村長)の名の下に現場で勧告するのはほぼ不可能なのではないでしょうか(専決というなら…、東京高裁平成20年7月15日判決(公刊物未登載)なんかも参考にすべきものかもしれません←ニュースでしかフォローしてませんが)。
あと、アイドリングを止めるのは、鍵を回して(ボタンを押して?)エンジンを切ればよいだけですから、勧告(命令)しようとしたら(されたら)すぐエンジンを切る、取り締まる職員がいなくなったらまたエンジンを動かすなんてするとイタチごっこになってしまいますね。そーいったところなのか、そもそも環境保全意識が低いとやっぱりエアコンつけたかったり、ラジオやテレビ使いたかったりしてアイドリングストップって案外難しかったりするのか、条例による対策の成果が見られるといった話はあまり聞きません。熱心に違反対応してるという話もあまり聞きませんが…
やっぱり従来型の法律や条例による規制手法が馴染まない領域なのかもしれませんね。
※個人的には、やっぱりハイブリッド車みたいに自動的にエンジンが切れるアイドリングストップ車の普及促進かなあとか思っています。アイドリングを禁止するのではなくて、エンジンが勝手に切れちゃうって感じです(^_^;
| 固定リンク
「行政法(個別法)」カテゴリの記事
- 出産育児一時金(42万円)の暫定措置と国民健康保険条例参考例(2009.05.19)
- 条例の犯罪?←屋外広告物条例の罰則(2009.05.01)
- 自動車が通行できない道路(2008.11.03)
- 改善勧告の要件←騒音規制法(2008.11.04)
- 産科医療補償制度と出産育児一時金と国民健康保険条例の一部改正(2008.11.02)



































コメント